たとえれば青空のように,星空のように,いつでも変わらず,私のために,そこにある環境。手をかかげれば,いつもそこに空がある,ように。
ベンダーたちは今,次に構築すべきは「シンクロナイズ(同期化)のプラットフォーム」だと云っている。マイクロソフト社の「ドットネット」戦略も同様だ。ユーザーのデータもアプリケーションも1つにまとめ,どこからでもアクセスできるそのサービスは,マイクロソフトのウインドウズに続く,「次の大きなプラットフォーム」になるはずだ。
子供のころ見ていた星空と,今見上げている星空と,もちろんわずかな違いはあるだろうが,ほとんど変わらない星空がある。平安時代の貴族が見やっていた星空も,江戸時代の商人たちが見ていた星空も,きっとそんなに大きな違いはないだろう。そして,大きな緯度の差がないところならば,地球上のどこから見ても,同じ星空。私が怒っていたときも,笑っていたときも,泣いていたときも,常に変わらない,なにか,があるというのは,幸せなことだ。
地から足を離せないPCは,シンクロナイズ・プラットフォームによって大空に解き放たれる。常に変わらず,見上げたときにいつもある環境,自分の場所。手ぶらで歩いていても,見上げるとそこには自分のすべてがいつでも用意されている。最低限の処理ができる小箱さえあれば,「全部」があるのと一緒。大空に飛び立てるような手軽さで,私たちは生きていける。
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